年に1回のガン検診をうけてから約2カ月後、検診結果らしきものがちょっと厚めの封筒で病院から書留で届きました。
何もなければ「異常無し」の紙1枚がピラ~ンでしょう。
封筒をつかむこの厚さからもう嫌な予感です。
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検診結果に書かれていた「病変あり」
封筒を開けると、各検診結果が入っており、肺がん検診だけは他の検診よりもはるかに分厚く数枚の書類がまとめて折られていました。
恐る恐る結果を広げてみると、肺のイラストの一部にここだよ!と言わんばかりに印が付けられていて、ん?「左肺に病変あり」と書かれているのか?と達筆で少々読みにくい字が。
「影あり」は乳がん検診で経験したことがありますが、今回は「病変あり」?
影らしきものがあるという曖昧な感じではなく、あきらかに普通とは違う細胞があるということなのでしょうか?
そして、できるだけ早く再検査の予約をとるようにと、予約に関する案内用紙があり、再検診の内容はCTスキャンです。
再検査になった場合のことを考慮して、医療設備の整った大きな病院で検診をうけておくと、このように、後々、スムーズに進みます。
とにかく、再検査の予約だけはとろうと予約の電話を入れたら、一番早くて2週間後になりますとのことで、即手術とか緊急性は無いらしいことだけはわかりました。
すぐにでも再検査して欲しいところですが、再検査までのこの2週間は自分の心の中を色々と探ることができそうです。
もしかしたら・・・「がん」という言葉が頭の中をぐるぐる周り、心臓がドキドキしはじめました。
「病変」て何でしょう?
ネットで検索してみると「がん用語辞書」に含まれる用語で下記の通りです。
異常な組織の領域。病変には良性(非がん性)のものと、悪性(がん性)のものがある。
病気が原因となって起こる生体の変化のことです。
再検査までの心境
肺がん検診で再検査になるとは、まったく予期せぬ出来事です。
先週、20キロのトレッキングコースを制覇してきたのに、いったい、この肺のどこが悪いのでしょう?
とても悪いところがある肺とは思えません。
健康に関する不安事は、素人はネットで検索するとドンドンと悪い方に考えてしまうので、メンタル上検索しない方が良いそうですが、やはり気になります。
私は、ググります。
肺がん検診で再検査になる確立は、他のがん検診よりもはるかに低いのですが、もしも悪性という場合は致死率はかなり高いらしい。。。
私のように、再検査になってしまい「もしかしたら・・・」と、心臓をバクバクさせながら、検索する人は多いのでしょう。
このとき、心配しなくても大丈夫ですよと、安心させてくれるやさしいサイトがいくつもあることを知りました。
がん検診の予約のときに、何ガン検診を受診するのか自分で選ぶのですが、まさか肺がんにはならないだろうと根拠の無い自信で、肺がん検診は選びませんでした。
が、予約の電話を切る間際に急に「すみません、肺がん検診も追加でお願いします」と自然と口から出たのでした。
潜在意識がささやいたのか?
顕在意識はわかってなくても、潜在意識は肺に異常があることわかっていて、教えてくれたのかもしれないと直感的に思いました。
やっぱり・・・。
そして、加入している生命保険にガンのオプション付いていたかな?と思い保険証券を確認してみると、これもまた、2年前にガンのオプションを自分で追加していました。
もしかして、何かの準備してた?
このように、ネットで検索しなくても、よろしくない方向に考えは進んでしまいます。
どうであれ、再検査の前に、今抱えている仕事だけは終えておかないと、検診結果の後はショックでやる気がなくなって、特にクリエイティブなことが出来なくなってしまうかもしれないと、仕事に集中して、猛スピードでかかえている仕事を終えました。
そして、今までやろうと思ってもなかなか出来なかったこと、ぐずぐずやってきたことをしっかり実行しようと、残りの人生を丁寧に速度をあげて生きようと思いました。
再検査の日まで、病気のことを考えるとよからぬ思考に走るので、とにかく仕事!というスタンスで毎日過ごしたのでした。
再検査とその結果はいかに?
はじめてCT検査を受けました。台の上に仰向けで寝て深呼吸を大きくするだけです。
「保険がききますから大丈夫ですよ」とは言われましたが、結構なお値段で。
検査の後、医師より結果がきかされました。
「たしかにここにありますね、治癒の跡が。」
「治癒?」しかも「跡?」
これが病変の正体でした。
自分では知らない間に、何かの病気にかかっていて、しかも快方に向かっているらしいのです。
「肺非結核性抗酸菌症でしょう、心配はいりません」と。
「ひけっかくせいこうさんかしょう?」とはじめて聞く疾病名をメモしました。
近年、中高年女性に急激にふえている病気だそうです。
治療法も薬もまだ開発途中だそうで「肺炎だったら完全に治るんですけどね」とも、医師から言われました。どっちがいいんでしょうね。
そして、抗体の種類をみるために、まだ採るんですか?というくらい、けっこうな量の採血をして、血液検査をしましたが、抗体は無く、・・・ということは、もう体は病気とは戦闘モードではないらしいのです。
経過観察でOKということになり、1年後も再びCTスキャンしましょうということになりました。
この数年の中で一番ホッとした瞬間です。
モノトーンの世界に色彩が戻ってきました。
非結核性抗酸化症とは?
原因
自然界に存在する非結核性抗酸菌が肺の中に入って感染します。主に、水場にいる菌で、その他には植物や土、生活周りでは風呂の残り湯や観葉植物などに存在していると言われています。
過労や過度なストレスなどで体の抵抗力が弱った時に感染しやすく、患者さんの95%は40歳以上の中高年女性。女性ホルモンの低下も関係しているのではないかという説もあります。
症状
症状としては、咳や痰が続きますが、感染した初期は自覚症状が無い「無症状」が多いです。
進行がとてもゆっくりであることと、自覚症状が無いので、感染してから2,3年でCTにより見つかるケースが多い。
感染力は弱く、人から人への感染はしません。
2007年頃から急激に増えています。
治療法
有効な治療薬はまだ開発されていませんが、薬の投与になります。
思い起こせば
2年くらい前から、仰向けになると「ごほっ」と咳き込んでむせることがありました。
咳がではじめた頃は、仰向けになると、ほぼ100%といっていいくらい「ごほっ」っとタンがからむような咳が出るので、このことは昨年の肺がん検診のときに、医師に伝えました。
「おそらくアレルギーでしょう、レントゲンでは何も見つからないので大丈夫でしょう」ということだったので、この言葉に安心して放置していました。
「ごほっ」となりはじめる直前、3日間くらい38度近い発熱が続いたことを思い出しました。
高熱が続くので、インフルエンザではないかと、病院で診てもらいましたが、インフルエンザではなく、空気中に漂う何かの菌に感染しただけで大丈夫でしょうということでした。
今思えば、きっと、このときに感染していたのだと思います。
ガーデニングでは素手で土をよくいじっていましたし、いい香りの花が咲くと「あ~いい香り~」と香りをクンクンと嗅いでおり、感染したとしても納得できてしまいます。
めったに発熱などしないので、いつ発熱したのか覚えてます。非結核性抗酸化症とわかる2年半前です。
体はこうして病原菌とずっと闘っていてくれていたのに「治療してあげなくて、ごめんね」となんだか切ない気持ちになってしまいました。
あのときに、医師のことばで終わりにせずに、さらに検査をうけていたら非結核性抗酸化症であることが初期段階で発見できたのかもしれません。
しかし、未だに治療薬がないのでしたら、結局、今と同じ状態だったのかもしれませんね。
感染していることも知らず、自然治癒のみで、今では、ほとんど咳はでなくなりました。
抵抗力、免疫力をつけることが一番の薬。
それと、水場である、お風呂場の掃除や、ガーデニングの時は菌を吸い込まないようにマスクをするようにしました。
アラフィフの女性の方は、水場や土場での作業にはお気をつけ下さい。