ヨーグルト売り場にいくとなんと種類の多いこと!いったいどのヨーグルトを食べたらいいの?と迷うばかり。
こんなにたくさんの種類がならぶには理由があるのです。
乳酸菌
乳酸菌には350もの種類があり名前と働きが確認されているのは50種類ほどです。
種類によって役割が異なり
・免疫力をアップする(抗体ができるのを助ける、逆に抗体を作りすぎてアレルギー反応を起こすのを防ぐ)
・インフルエンザウィルスなどの病原菌をやっつける
・高血圧を抑制する
・発がん性物質の発生を抑制する
これらのパワフルな役割をもった乳酸菌を最も効率よくとれるのがヨーグルトです。
ヨーグルトは菌株が違うと効果も異なり、一体、どのヨーグルトを食べたら効果があるのでしょう?
人それぞれ腸内細菌のバランスが異なるので、どのヨーグルトが効果があるのは人によって違うのです。
いろんなものを食べ比べて、自分にあったヨーグルト、乳酸菌を探すしかありません。
最近注目の乳酸菌の特徴を調べてみました。
L92乳酸菌
「L-92乳酸菌」は長年乳酸菌の研究をしてきたカルピスが、保有する数多くの乳酸菌の中から抗アレルギー作用に着目して選び出した乳酸菌です。
2000年頃からは専門家らと共同研究をし、「L-92乳酸菌」を摂取した花粉症、通年性アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎の患者にアレルギー症状の改善効果がみられたと発表しています。
これは免疫のバランスが崩れてアレルギー症状を発症しているアレルギー患者の免疫バランスを「L-92乳酸菌」が整えることから、IgE抗体の産生を抑えることができ、アレルギー体質が改善されるものと考えられています。
この働きは「L-92乳酸菌」が腸管の免疫細胞を刺激することによって起こるものです。
この乳酸菌はヒト由来のもので、ヨーグルトや牛乳などの一般的な乳製品ではとることができません。ヨーグルトの他にサプリや飲料も発売されており、サプリは1日2粒とればよく、手軽にとり続けられます。
ちなみに乳酸菌飲料のカルピスやカルピスウォーターに「L-92乳酸菌」は含まれていないそうです。
L-55乳酸菌との関係は?
「L-55乳酸菌」はオハヨー乳業が2000年に人間の赤ちゃんから発見したヒト由来の乳酸菌です。
オハヨー乳業は2000年に研究室を設置し、同年には「L-55乳酸菌」を発見したわけですから素晴らしい快挙ですね。
そしてこれまでの研究によって「L-55乳酸菌」には花粉症の症状を緩和する効果のあることがわかっています。
「生きて腸まで届き、おなかにやさしい」。これが「L-55乳酸菌」入りヨーグルトやのむヨーグルトのキャッチフレーズです。
この乳酸菌は生きて(胃内も通過して)腸まで届くことが出来ること、さらに腸内にとどまる時間も長いことが知られています。
これにより、乳酸菌は腸内で善玉菌を増やすことができ、腸内環境は改善されます。生きて腸に届いた乳酸菌は乳酸を作り出すのですが、これは便秘解消につながりそうです。
乳酸により腸内が酸性になることで酸性が苦手な悪玉菌の増殖も抑えられ、腸内環境の悪化が妨げられることになります。
腸内環境をこうして良い状態に保つことが免疫機能を整え、アレルギー症状を抑えることにもつながるのですが、マウスを使った研究で、花粉症に直結した効果のあることが実証されています。
「L-55乳酸菌」をマウスに投与した結果、抗原である花粉と結合して花粉症の症状を引き起こすIgE抗体の量を少なくする効果があったのです。
オハヨー乳業では自社製品の他に、7-11など他社と共同で出している「L-55乳酸菌」製品もありますので、コンビニ等で見かけたら一度試してみてはいかがでしょうか。
LG21
明治ブルガリアヨーグルトと言えば知らない人はいない位、日本人にはおなじみのヨーグルトですね。
ちなみにブルガリアヨーグルトに入っている乳酸菌はLB81。この乳酸菌は元来ブルガリアのもので、今でもブルガリアから輸入しているそうです。
これに対して「LG21乳酸菌」は明治が独自に保有していた2,500種もの乳酸菌の中から見つけたもの。明治ではこれを奇跡の新発見だとして、CMでは「リスクと戦う乳酸菌」と謳っています。
そんなに素晴らしい乳酸菌はどんなリスクと戦ってくれるのでしょうか。
「LG21乳酸菌」の特徴は胃炎、胃潰瘍、胃がんの原因となるピロリ菌に対する効果が大きいということです。
つまり「リスク」とは「ピロリ菌」ひいてはピロリ菌が引き起こす「胃炎、胃潰瘍、胃がん」などの胃の病気のことなんですね。
日本人は胃の中にピロリ菌を持っている確率が高く、年齢の高い人ほどその傾向が顕著です。
昨今こうしたことも広く知られるようになった為、その対策としても「LG21乳酸菌」は支持されているのでしょう。
ピロリ菌が胃の中にいると胃の粘膜を傷つけてしまうことから胃炎などの病気を引き起こします。
しかしピロリ菌は乳酸菌の出す乳酸に弱いので、「胃で生き残る力が強い」LG21はピロリ菌の活動を抑えることが出来るのです。
「LG21乳酸菌」は対酸性が強く胃で生き残る力が強いという長所を持つがゆえに、2,500種もの乳酸菌の中から選ばれたものなので、生きて腸に届く可能性もあるでしょう。
また「LG21乳酸菌」はガセリ菌の一種でガセリ菌は乳酸を大量に作り出す機能があることから、腸内環境を改善する力を持った乳酸菌だと言えます。
ヨーグルトの食べ方
全てメーカー独自の開発なので、メーカーごとに商品が異なるわけですね。ヨーグルト売場にたくさんの商品が並んでいる理由がわかりましたわ。
ところで、ヨーグルトの乳酸菌と人の腸内の乳酸菌は別物です。
腸内にビフィズス菌はいますが、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌が、そのままお腹に定着してふえているというわけではありません。
ヨーグルトの中の乳酸菌の寿命は3日~1週間ほどですので、腸内乳酸菌の手助けに過ぎません。
寿命が短く、そして、加齢とともにビフィズス菌は減少していきますので、積極的にヨーグルトをとりたいものです。
食べるタイミングは、空腹時に胃酸がたくさん分泌されているときよりも食後がベストです。
ヨーグルトとセットで、ビフィズス菌の餌となるオリゴ糖もとるとより効果的です。