「催眠療法」と聞くと、眠らされて誘導されるようなイメージや、「あなたは眠くなる眠くなる」とトランス状態にして振り子で誘導するイメージがあるかもしれませんが、まったく違います。
まして、占いでもありません。
「催眠療法」は「ヒプノセラピー」とも呼ばれ、脳科学でもあるセラピーです。
催眠療法とは?
「答えは自分の中にある」と言われています。
催眠療法ではその通りで、セラピストが誘導することは一切ありません。全て本人が答えを出していきます。
まず、意識には2つの領域があります。
そして、意識の比率は 顕在意識が5%、潜在意識が95%と、圧倒的に意識ができない潜在意識の方が強いのです。
例えば、顕在意識でお金持ちになりたいと思っても、潜在意識でお金持ちになるには大変だから別にならなくてもいいやと思っていたら、潜在意識が勝りますので、お金持ちになることは難しいでしょう。
このように、潜在意識の力は大きく、潜在意識の方で思っていることがそのまま現れます。
さて、普段は意識できない潜在意識ですが、顕在意識と潜在意識が繋がる時があります。
それが催眠の状態です。
アクセスしいにくい潜在意識につながって、今抱えている問題解決に必要な記憶や感情を引き出すことができます。
催眠の状態といってもグーグー眠っている状態ではありません。
ヨガ、瞑想、または意識がぼやっとしているときは催眠状態にあり、その状態をさします。
催眠療法は顕在意識も働いているので、セラピストに操られるということはありません。
パッと起きてその場から立ち去ることだってできてしまいますから。
海外では、1955年に英国医師会は催眠療法を有効な治療法と認めています。米国医師会でも1958年に有効な治療法と認めており、歴史は古いのです。
日本では、医師が催眠療法を行うクリニックがいくつかありますが、まだまだ一般的な認知までは至っていないようです。
効果はあるの?
催眠療法は効果があるのか?というと、海外では治療法として認められていることから、効果はあるということになります。
全ての治療に共通することですが、効果があるかないかは個人差はあるでしょう。
セラピストに100%身を任せるようなつもりで、リラックスした状態でないと潜在意識とはつながりません。
これがポイントで、この状態になれる人、なれた人には効果があるでしょう。
おすすめできない人
最初からまったく信じておらず斜に構えている人。
おもいつめたように、絶対に効果を出してやると必死な人。
リラックスできていないと、顕在意識が優位にたってしまいますから、潜在意識とつながることは難しいと思います。
また、潜在意識につながっている「ふり」をしている人。自分で創作してしているということは顕在意識が働いているだけです。
権力者や有名人、知名度の高い人の言葉だけは信じる人。
私の催眠療法体験
私が催眠療法をうけたときの不思議なお話をします。
そもそも、催眠療法についてもよくしらないままだったのですが、マイナスにはなるまいと、セラピストに身を委ねるつもりで体験として受けてみました。
最初に問診のようにセラピストからのインタビューがあり、何について潜在意識に聞きたいのか目的を明確にします。
私は体調の変化と仕事について聞いてみたいと思いました。
催眠療法のセッションに入る
ベッドの上に横たわり目を閉じます。
ほんわり暖かくて気持ちがよく、このままなら数分後には、寝てしまいそうです。
セラピストの声とともに、セッションに入ると、すぐに、座敷童子のような着物を着た子供が障子の隙間から、そーっと私を覗いているのが見えました。
見えましたといっても、目をつぶっているので頭の中(脳?)で見えます。
セッション中は、ずっとこの子と手を繋いで一緒に過ごしました。ジャングルジムにのぼったり、おべんとうを食べたり。
言葉は発しないのですが、「一緒にいるだけでいいの」とずっとテレパシーで伝わってきます。
ところが、突然、この子が「不思議なメルモちゃん」が青いキャンディーを食べたときのように、ギューーーンと成長をはじめます。
座敷童子のような子が、金ボタンの学ランを着て制服の帽子をかぶり、とっても賢そうな少年に成長しました。
お友達と学校へ行くとのことで、「いってらっしゃい」と手をふり見送ります。
セッションが終わった後、その子は私のインナーチャイルドであることがわかりました。
私の中にいるもうひとりの自分です。
セラピストの声のもとに、その都度、まったく違うシーンが断片的に展開されていきます。
あるときは、私は荷物だらけのまるで昭和の時代のような畳の窮屈な部屋にいます。
もう、窮屈でこんなに荷物は持っていられない、この中から私に一番必要なものだけを教えてと心で問いかけると、ギーッと洋服タンスの扉が開き、扉の内側にあった鏡が私の姿を映しました。
一番大事なものは私自身?とハッ!とします。
次の場面では、ロバと乾燥した坂道をトコトコ登っていると、急に目の前に海の向こうに島が見えてきました。
見えなかっただけなんだ。最初からここにあったんだ!とわけわからないセリフと共にハッ!とします。
今度は、背中を向けたおじいさんに出会い、ふりむいたおじいさんは祖父でした。ハッ!とします。
祖父は私の物心がつく前に他界してますが、その人が祖父であることはわかりました。
断片的に色々な映像がうかび、自分の意識の中の出来事なのにこのように「ハッ!」と驚くことが起こるのです。
そして、それらは全て問いかけたことの答えにつながっています。
顕在意識で考えた出来事ならば、ハッとはしないでしょう。
そのときはどういう意味だったんだろう?とわからなくても、数日後に突然「あっ!こういうことだったんだ」とひらめくこともありました。
セッションの時間は1時間半くらいだと思いますが、時間の感覚もありません。
コロコロと変わる場面設定で、後でこのように文章にしても、いったいどんなストーリーなのか支離滅裂で不思議な感じがします。
これが潜在意識からのメッセージです。
まとめ
催眠療法で前世では自分が何をしていたのかはっきり見えてしまう人もいますし、ダイエットに効果があったという人も、感情がこみあげて泣き出す人もいます。
劇的に人生が変わったりドラマティックなことが催眠中に起こるわけではありませんが、自分が問いかけたことに対してのヒントを返してくれます。
顕在意識ではまったく思っていないことが現れて、そのときはどういう意味なのか理解不能でも、何かしら潜在意識はメッセージをおくってくれます。
このように、潜在意識に働きかけることで、顕在意識ではいくら考えても、なかなか解決できないことや、気づかなかったことなど、解決の糸口を見つけることもできます。
潜在意識の中に隠れている「本来の自分』に気づくことは、なかなか自分ひとりではできませんが、催眠療法の手法を取り入れてみることも良いのではないでしょうか。